なんば高島屋の真ん前、現在マルイがあるところに、かつて南街会館があった。
今でいうところのシネコンで5つほどの映画館が入っていたと思う。
南海の難波駅を外に出て南街会館が見えると、難波に来た!とテンションが上がった。
映画を観なくても、ここでポスターとかを見てブラブラするだけでも何かワクワクした。
この南街劇場での一番の思い出なんだけど、原田知世さんの映画公開の舞台挨拶を見にいったこと。
入場は先着順だったんで朝から並んでも無理かなと思い、まだ子供だった俺は友達の家に泊まると親に嘘をついて、夜中一人で難波に向かった。
思った通り、午前0時ごろには南街会館の前にかなりの数の人の列が。
それから10時間以上も道に座り込んで待ってたんだけど、憧れの人に会えると思うだけで全然平気だった。
そして舞台に現れた原田知世さん。
ベタな言い方だけどホンマに天使のように可愛かった。
その南街会館の地下にあった「阪急BXカレー」
その頃会社を辞めてダラダラとアルバイト生活を送っていたんだが、バイト先が難波を経由するため、また南街会館の辺りもうろつくようになった。
以前からそこにカレー屋があるのは知ってたけど、たまたまふらっと立ち寄って食べたらマジで衝撃を受けるくらい感動し、バイトの給料日になるとこの阪急BXカレーに通うのが習慣になった。
カウンター10数席だけのこじんまりした店で、いつも頼むのはチキンカツカレー(という名前だったと思う)
いくらだったかももう覚えてないけど、確か700円か800円くらいだったような気がする。
ここでこのチキンカツカレー以外のものを食べた記憶がない、いつもこれだった。
自分はスパイスがすごく効いた本格カレーはあまり好みじゃなく、どちらかと言えば日本的なカレーの方が好き。
BXカレーはまさにそれで、ドロドロというかドロッドロなんだけど、これがまたホンマにおいしかった。
今時トッピングとして注文しないと出てこないが、BXは付け合わせに小さならっきょが福神漬けとともに置いてあり、これがまためちゃくちゃ美味しくて、翌日のバイトのことなどお構いなしに何個もバリバリ食った。
食い終わって一気に飲み干すあの水のうまさもまた格別だった。
カレーでお腹がふくれた後、店の目の前にあったタワーレコードに寄る。
その頃あまり金もなく、カレー食べて、CD見て、本屋さんで本や雑誌を買って帰るのが月に一度の贅沢だったんだけど、それはそれですごく楽しかった。
ある日その阪急BXは別のカレー屋に変わっててびっくりしたが、どこかに移転したんだろうぐらいにしか思っていなかった。
がその後見つかることもなく、のちに完全になくなっていたことを知った。
まだ若かった自分にとってあの味こそ難波そのものだったような気がする。
本当に幻のカレー屋。
もう一度だけでいいから食いたい。
最後にしつこいようで申し訳ないが、原田知世さんはホンマに可愛かった。
追記
PCの画像の整理をしてたら、なんと阪急BXカレーのものが!
メチャクチャ小さな画像だけど、おそらくかなり以前にネットで拾ったんだと思う。
現在「阪急BXカレー」で検索しても当時の画像は全く出てこないんで、かなり貴重な1枚ではないかと。
「カレー500円」と書いてあり、あの匂いが蘇ってくる。本当に懐かしい。
もしこの記事を見て頂いた方で、もっと鮮明で大きな写真や画像を持っている、という方がいましたら、是非ご連絡ください。
よろしくお願いいたします。